2024年6月
タイヤの点検していますか?
もう間もなく梅雨ですね。
雨の時期にの前におススメしたい点検の一つが「タイヤの点検」です。最近愛車のタイヤをご覧になりましたか?
タイヤの溝はとっても大切です。
車のメンテナンスで一番簡単に点検出来るのがタイヤのチェックです。
タイヤは命を乗せている大切な部品なので、疎かにしてしまいますと大事故に繋がってしまいます。
タイヤのメンテナンスはご自身で簡単に出来ます。溝が適切か、表面に傷が無いか、空気圧は適正か。基本はこの3つです。
まずは溝についてお話致します。
乗用車の新品タイヤの溝はどれくらいかご存じでしょうか?実は夏タイヤと冬のスタッドレスタイヤでは溝の深さが違います。
新品の夏タイヤの溝は約8mm、スタッドレスタイヤは約10mmです。
この溝には使用限界が設けられております。夏タイヤの使用限界は1.6mmのスリップサインまで、スタッドレスは新品の約半分まではスタッドレスとして使用可能でそれ以降は夏タイヤとして使用できます。
溝は最後まで使い切っては危険なんですね。
愛車のタイヤの溝は現在どれくらいか、保管してあるスタッドレスは溝がどれくらいか・・・確認してみてはいかがでしょうか?
そもそもスリップサインが分からないという方も多いかと思います。
矢印のところに一段低い段差があります。これがスリップサインです。
先程のスリップサインが繋がってしまってます。こうなると車検に受かりませんし、危険です。新品のタイヤと比べると溝が明らかに違うのが分かると思います。
もし残り1.6mmを超えて使用していた場合、整備不良とみなされてしまいますので注意が必要です。
タイヤ履き替えの時期の前に一度保管中のタイヤの状態を確認されることをおススメ致します。ご自宅に保管してあるスタッドレスタイヤをいざ交換しようとしたら、溝が少なくてスタッドレスとしては使用できない!!購入しようとしたら既に欠品していた!!なんてトラブルを回避できます。
そもそもタイヤの溝は何故必要なのでしょうか?
この溝、雨の日の為にあります。
タイヤは雨の日は道路に溜まった水を溝を通してかきだし、路面を掴んで走行しています。この溝が減ってくればくるほど道路の水の排出が出来なくなっていきます。すると水の排出が出来ないので、タイヤが水の上を滑って走る状態になってしまうのです。
この現象をハイドロプレーニング現象と言います。(免許を取得する時に聞いたことありますよね)
溝が1.6mm、80km/hで走行しただけで起こりうる現象です。
もしこのハイドロプレーニング現象が起こってしまったら・・・想像しただけでも恐ろしい状況ですよね。その時は、絶対にハンドルは切らずにブレーキも踏まずに自然と車が減速するのを待ちましょう。
高速道路でこの現象が起こってしまったら大変です。必ず溝のチェックをお願い致します。
また、タイヤの溝があっても劣化によるひび割れも危険です。
溝がまだまだあるから大丈夫!は間違いです。
タイヤはゴム製品なので当然固くなってしまい、ひび割れが発生してしまいます。
ひび割れていると何故危険なのでしょうか?
車の速度が上がってくる=タイヤも高速で回転しています。するとタイヤ内の空気の温度が上昇しタイヤにストレスがかかります。それに耐えられなくなり、ヒビのところからタイヤが裂けてしまうのです。
バーストはパンクとは違い、タイヤが破裂してしまうことです。
タイヤの交換目安の年数は3~4年です。
タイヤをいつ交換したか覚えていなくても大丈夫です。実はタイヤにも製造年週が記載してあります。これをもとに判断されると良いかと思います。
タイヤの側面を見ると楕円で囲まれた所にアルファベットと数字4桁の刻印がされています。(写真はブリヂストンVRX2 スタッドレス)
この最後の4桁が製造年週です。
最後の2桁が製造年、次の2桁が製造週となります。上記写真で説明致しますと、4221となっているので21年42週となります。(21は2021年、42週は10月の2週目です。)
ご自身の愛車のタイヤの製造年を確認して交換目安をお考えになると良いと思います。
ただし走行せず駐車が多い車や保管してあるタイヤを外に置いてあったりと保管状況で使用年数が短くなってしまう場合があります。
走行前や装着前にタイヤの表面にひび割れが出ていないかのチェックが必要です。
最後にタイヤの空気圧についてお話致します。
タイヤの空気圧は定期的に確認してらっしゃいますか?
「車検で見てもらってから全く気にしてなかった」という方も多いかと思います。
タイヤの空気圧が低いまま走行すると実はとても怖い現象が起こってしまうのです。
スタンディングウェーブ現象という言葉を耳にしたことがありますでしょうか?
こちらも免許を取得する際に聞いたことがあるかと思います。
これはタイヤの空気圧が低下した状態で高速走行をすると、タイヤが横から見た時にウェーブ状(波状)に変形してしまうことです。
現象が現れた状態で走行し続けると、タイヤが過熱されて最終的にはバーストしてしまいます。
もし、高速道路でバーストしてしまったら事故は避けられないかもしれません。非常に危険ですね。
また、このスタンディングウェーブ現象は荷物の積みすぎでも起こってしまいます。
たくさん荷物を積んで高速道路を走行する時は、タイヤの空気圧を高めにし、荷物を下ろしたら適正な空気圧に戻すのも防止になります。
タイヤの空気圧は高すぎても低すぎてもダメです。適正な量を入れておきたいです。
最近はガソリンスタンドもセルフになり、給油した際にタイヤの空気圧を点検する機会が減ってしまっています。
以前はガソリンを入れた際にスタッフさんがタイヤの空気圧の点検いかがですか?と声掛けをされて点検・調整してもらっていた方も多いかと思います。
それがセルフになったことでスタッフの方との接触が無くなりました。このことも空気圧の点検をする機会の頻度が減ってしまった原因かもしれません。
JAFさんによると2007年は29万件だったタイヤのトラブル出動が、2021年には40万件に急増したとのことです。これはタイヤの点検を行う機会が減っていることが原因の1つと考えられています。
実際当社でも高速道路でのパンク・バーストでのレッカー要請が近年増えています。
最近の車にはスペアタイヤが無い車両も多く搬送になってしまうケースがほとんどですので、連休中にもしバーストしてしまったら、最悪連休明けの店舗再開まで車が乗れないなんてことも有り得ます。
ご自身の車にはスペアタイヤがあるかどうか、スペアタイヤの空気圧は適正か?この点検もドライブ前には必要です。
せっかく楽しいはずのドライブがタイヤのトラブルで大変なことにならない為にも、意識的に月に1度はタイヤの空気圧の点検をすることを是非心がけてください。
これから雨の季節です。雨でスリップしないためにも、今一度愛車のタイヤの点検をお願いします。