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車の故障シリーズ~ブレーキ編~

暑い夏も終わり、ドライブが楽しい季節がやってきましたね。愛車のメンテナンスは大丈夫でしょうか?

今回は、車の故障シリーズと題しまして、ブレーキについてお話致します。

 

速い速度で走る車を、軽い力でブレーキペダルを踏んだだけで車は止まります。

この最も基本的な機能であるブレーキのメンテナンスを考えたことがありますでしょうか?

車が安全に止まるにはブレーキのメンテナンスが必要です。ブレーキが壊れてしまいますと大事故に繋がるので本当に注意が必要ですね。

 

最も基本的なブレーキのメンテナンス方法は、ブレーキオイルの交換です。勿論、パッド交換やディスクローターの交換も必要ですが、見落としがちなブレーキオイルの重要性についてお話したいと思います。

 

ブレーキオイルを定期的に交換しないとベーパーロック現象が発生しやすくなるのをご存じでしょうか?

ベーパーロック現象?・・・免許を取得した際に聞いたことがあるかと思いますが、覚えていらっしゃいますでしょうか?

この身近に潜む怖いベーパーロック現象を説明する前にまず、車のブレーキについて簡単に説明致します。

 

車はそもそもどうやって止まっているのでしょうか?
 

ドライバーがブレーキペダルを踏むとその力がブレーキブースターに行き、そこで圧力を増幅して大きな力に変換させてマスターシリンダーに伝わります。

その力がブレーキオイルが入っているリザーバータンクへと伝わり、ブレーキオイルに圧力がかかってブレーキキャリパー(ディスクブレーキの場合)の中のピストンへと伝道して、ピストンがブレーキパッドを動かしてブレーキディスクを挟むことで車は止まります。

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車を止めるには回転しているブレーキディスクを挟んで摩擦の力で止めているのですね。

この挟んで止める時にかなりの摩擦熱が生じてしまいます。摩擦熱はダイレクトにブレーキオイルに伝わり、ブレーキオイルが高温になります。

高温になり沸点を超えるとオイルと言えども当然沸騰してしまい、泡が生じてしまうのです。気泡が発生してしまうとブレーキを踏んでもブレーキオイルに圧力がかからず、ピストンを動かす力を伝えられずブレーキが効かないトラブルになってしまいます。

 

これがベーパーロック現象です。

 

ブレーキオイルも沸騰するなんて!という方もいらっしゃると思います。勿論ブレーキオイルは水に比べて沸点は高いです。水より油の方が沸点が高いと理科などで習った方も多いかと思います。

ブレーキオイルの沸点は使っているオイルの種類によって違います。

国産車のブレーキオイルの標準はDOT3です。(一部はDOT4)

DOT3はドライ沸点(新品時)205℃以上、ウェット沸点(1~2年後の使用)140℃以上という規格です。

2年使っても140℃もあればまだまだ交換しなくても大丈夫では?と思われるかもしれません。

 

ところが使い方によってはブレーキオイルは200℃を超えてしまうのです!

 

山道などでブレーキを酷使すると、ブレーキパッドの温度は300℃を超えることもあるのです。その温度はダイレクトにブレーキオイルに伝わってしまうので高温になってしまうのですね。

 

沸点が140℃であれば当然沸騰して泡が出てしまいます。しかもDOT3では新品のブレーキオイルの沸点が205℃以上となっているので新油でも沸騰スレスレの危険性があります。

 

なので、スポーツ走行したり山道走行の方はDOT4をおススメ致します。

DOT4はドライ沸点(新油時)230℃以上、ウェット沸点(1~2年後の使用)155℃以上です。

 

しかし、2年も経過するとどちらであっても沸点が下がってしまいます。これはどんなに高価なブレーキオイルを使用したとしても避けられません。

何故ならブレーキオイルは吸湿性を持っているからです。空気中の水分を吸収してしまうのですね。

「距離を走ってないから交換しなくてもいい」は間違いなのです。

ですのでブレーキオイルは2年に1回の車検時に交換をしておくのが安心かと思います。

ブレーキオイルは経年劣化し、1~2年で沸点が60℃も下がってしまうので、もし車検時に交換をしていない場合はもっと水分を吸収してどんどん沸点がさがっていってしまいます。そうなると一層ベーパーロック現象が起こりやすくなってしまうのです。

 

身近な場所で申し上げますと、5~6年ブレーキオイルを交換せずに筑波山に行くと、危険性が高まるという事です。

 

エンジンオイル交換と同じように定期的な交換をしてお車の安全性を保ってください。


 

そろそろ紅葉の秋が始まりますね。近くや遠方にドライブがてら紅葉狩りを計画していらっしゃる方も多いかと思います。

山道に待避所がある所を見かけたことはございますでしょうか?そう、この待避所はベーパーロック現象が起きてしまった際に車を止める所となっています。

山道で全くブレーキが効かなくなったら本当に怖いですよね。この待避所を使うことの無い様に楽しくドライブを楽しみたいですね。

 

また、「ブレーキオイルは減っていれば足せばOKでは」と質問されることがあります。

この答えはNOです。前述致しました通り、ブレーキオイルは空気中の水分を取り込んで沸点が下がってしまう性質があります。その、劣化したオイルに新しいオイルを入れても混ざらず結果、ブレーキオイルの沸点は低いオイルのままという事です。しかも基本的にブレーキオイルは減りません。減っているという事は、ブレーキパッドが減っているか、どこかでブレーキオイルが漏れてしまっているという事です。

もし、愛車のブレーキオイルが減っている時はパッドの残量などを修理工場などで確認されることをおススメ致します。

 

 

補足ですが、ブレーキパッドが片側だけ減ってしまっているお車は更に注意が必要です。片側だけ減るということは、そちら側が常に接触してしまっている証拠です。常に接触している=常にブレーキがかかっている状態なので当然ブレーキの温度も高温になっています。前述のベーパーロック現象が通常よりも起こりやすい状態であるのです。車を降りた際にタイヤのあたりが以上に熱くなっていたら危険信号です。最寄りの修理工場に入庫をおススメ致します。

 

車検時に交換してない場合や、カーブの多い山道に行かれる際はブレーキオイルの交換履歴をご確認して頂き、安全・安心なドライブをお楽しみ下さいませ。

 

*弊社使用のブレーキオイルは全てDOT4です(DOT4はドライ沸点(新油時)230℃以上、ウェット沸点(1~2年後の使用)155℃以上)。

*交換ご希望の際はお電話にてご予約をお願い致します。


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